太宰作品はすでに、秋原正俊監督、佐藤江梨子主演の『斜陽』(5月公開)、根岸吉太郎監督、松たか子、浅野忠信主演の『ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ』(秋公開)、冨永昌敬監督、染谷将太、川上未映子主演の『パンドラの匣』(秋公開)の3作品が製作されている。新たに「人間失格」の映画化が決まったことで、まさに太宰映画ブームの到来ともいえる。
今年は松本清張も生誕100年にあたり、映画化やドラマ化が進んでいるが映画は、犬童一心監督の『ゼロの焦点』(秋公開)のみ。映画化では、太宰が清張を圧倒している状況だ。「製作費の違いが大きいのでしょう。太宰作品が純粋にドラマ部分に映像を絞り込めるの対して、松本作品は娯楽作品になるのでスケールを大きくしなければならない。そうした違いが、映画化の本数に表れているのではないでしょうか」と太宰作品を手がける配給会社の営業担当者は話す。
ただ興行的には、娯楽作となる清張作品に一日の長がありそう。それでも、かつてないほどの“競合”ともいえる太宰作品。果たしてどの作品が内容面と興行面で大きな成果を上げることができるのか。それぞれ、見比べてみるのも一興かもしれない。

