フジテレビは9日、日枝久会長(79)と亀山千広社長(60)が退任する人事を固めた。社長の後任にはビーエスフジの宮内正喜社長(73)が就く。関係者への取材でわかった。フジテレビは視聴率で苦戦が続いており、トップ2人を刷新して立て直しを進める。
日枝氏は取締役としては残り、相談役に就く見込み。持ち株会社のフジ?メディア?ホールディングス(HD)の会長も退任し、HDの嘉納修治社長(67)が両社の会長に就任する。
日枝氏は、社長を務めた後の2001年に会長となり、05年にフジの筆頭株主だったニッポン放送の株式取得をめぐって起きたライブドアとの騒動に対応した。民放連会長の経験もあり放送界へ大きな影響力を持つ。亀山氏は13年に社長に就任。ドラマプロデューサーとしてフジ黄金期を築いた経験から視聴率回復を期待されたが、昨年は年間視聴率で民放4位だった。
新社長となる宮内氏は1967年にフジテレビ人社。編成制作局長や系列局の岡山放送社長などを歴任後、2015年7月から現職。
日枝氏は朝日新聞の取材に、自身の進退に関する明言は避けつつ、「フジテレビの視聴率が悪いのは事実。新しい風を吹かせる必要があり、その観点から人事を行う」と話していた。