801 = =2017/11/12 10:54:00
映画賞レースのトップを飾る第42回報知映画賞のノミネートが決まった。最多6ノミネートに「あゝ、荒野」「幼な子われらに生まれ」「3月のライオン」「三度目の殺人」「関ヶ原」の5作品が並ぶ大混戦となった。
「あゝ、荒野」は劇作家?寺山修司さん唯一の長編小説を2部作で映画化。2021年の新宿を舞台に、少年院を出たばかりで家も職もない新次(菅田将暉)と、吃音(きつおん)と対人恐怖症に悩む理髪師?建二(ヤン?イクチュン)が元ボクサー?堀口(ユースケ?サンタマリア)の誘いでプロボクサーを目指し、戦う姿を描いた。
「幼な子われらに生まれ」は作家?重松清さんの小説が原作。会社員の田中信(浅野忠信)が、再婚した妻(田中麗奈)や妻の連れ子(南沙良)との関係に悩みながら奮闘し、家族の在り方を問い掛ける。第41回モントリオール世界映画祭(カナダ)で最高賞のグランプリに次ぐ審査員特別グランプリを受賞した。
「3月のライオン」は羽海野チカさんの人気コミックが原作。両親と妹を交通事故で亡くし、父親の友人の将棋のプロ棋士に内弟子として育てられ、中学生でプロ棋士になった桐山零(神木隆之介)と周囲の人々との交流を2部作で描いた。
「三度目の殺人」は、是枝裕和監督の最新作で、第74回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品され話題に。敏腕弁護士の重盛(福山雅治)が、殺人の前科があり、新たな殺人容疑で逮捕?起訴された三隅(役所広司)に翻弄されていく法廷サスペンスだ。
「関ヶ原」は、司馬遼太郎さんの同名人気小説が原作。1600年、石田三成(岡田准一)率いる西軍と、徳川家康(役所広司)率いる東軍が激突し、天下分け目の決戦と言われる関ヶ原の戦いを、ドラマチックに映画化した。
5作品すべてが、作品賞、主演男優賞、助演男優賞にノミネートされており、受賞の行方が注目される。
ノミネートは、読者投票をベースに報知映画賞事務局が選定。受賞作?受賞者は今月開かれる選考委員会で決まり、12月下旬に表彰式が行われる。
◆報知映画賞 映画界の発展を願い、1976年に始まった。2008年から読者投票の結果も加味したノミネート制を導人。この作品部門、個人部門の中から選考委員会で受賞者?受賞作を決める。公開規模の大小、興行収人、観客動員数などにとらわれることなく選考され、賞レースのトップを切って発表、表彰されることから、映画界以外からも高い関心を集めている。