夏の連ドラ記者座談会

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楼主 = =2012/7/28 2:56:00

トッカン」が記者票1位

 夏の連続ドラマが出そろいました。11作品について激論が交わされた恒例の記者座談会を、2日にわたって掲載します。きょうは5作品が対象です。

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  1位の「トッカン」は、何と言っても、「お金になんて、殺されないで」というセリフ、キャッチコピーがいいね。市井の市民が税金に追いまくられる姿を描いた、メッセージ性のあるドラマだよ。

 このセリフはビシッと決まったね。僕は映画のような映像にはまった。井上真央も頑張っている。

  人情ものの色合いが濃いんだけど、ミステリーやコメディーの要素もあって、混然一体としている。

  消費税増税が話題の昨今、興味深いテーマだけれど、素人には分かりにくい作りかもしれない。

  東野圭吾原作の「浪花少年探偵団」は、まんべんなく票を集めた。リズミカルな大阪弁が耳に心地いい。

  個性的な少年たちの子供らしい競演が魅力。気性が激しいしのぶ先生の役柄は多部未華子によく合っていて、楽しく見られた。

  全体に昭和の雰囲気が漂う。懐かしいと思う視聴者もいると思うけど、現代劇としては違和感があるんじゃないか。現代的と言えば、「リッチマン、プアウーマン」はシンデレラストーリーをベースに、ビジネスの要素も織り込み、進化した月9という感じがする。

  IT企業の創業者を演じる、小栗旬と井浦新のペアが個人的にものすごく好き。業界を華やかに見せる一方で、次世代の戸籍システムを狙うという展開に、ワクワクさせられる。

  この不況の世の中で、今ひとつ設定に現実感がない。石原さとみの役だって、東大生でも就職難なのは自明だし、あんなに記憶力がいいのはおかしいよと突っ込みたくなる。

  同じラブストーリーでも、「ボーイズ?オン?ザ?ラン」は対照的。もてない男のドタバタが楽しい反面、下ネタにはちょっと引いたな。

  何、言ってるんですか、分かってないですねぇ。ちょっとエッチな設定はいかにも深夜ドラマだけど、「あるある!」と、ついうなずきながら見てしまいましたよ。いいですか皆さん、どんな男子の心にも、妄想大好きで格好悪い田西敏行(丸山隆平)は住んでいるんです。頑張れ、田西!

  同感。僕は、原作コミックの大ファン。雰囲気に忠実なのがとてもうれしい。何より丸山がいい。自分の意見を言えなくて、にやけ顔で親指を立てるところなんて、そのまんま。ただ、植村ちはる役の南明奈は黒髪にしてほしかった。もうちょっと純真だと、後の転落ぶりが楽しめるのに。

  男子2人、熱いですね。丸山がイケメンすぎて、もてない男のリアリティーが薄い気もしますが。「彼のかわいそうな歩みはこれからだぞ」という(大)さんの見立てを聞くと、今後が心配になっているところです。

  「黒の女教師」は評価が分かれた。個人的に、こんなダークなハチャメチャぶりは好き。

  僕もあまのじゃくなんで、悪くないと思う。現実離れした教師像の方が、物事をはっきり描ける場合もある。ドラマだからこそできる設定では。

  有料なのはしっくりこないけど、生徒を助けるシーンは爽快。ただ、「愚か者!」っていう決めゼリフは、浮きますねえ。

  浮きまくりだよ! 色々なドラマの要素を盛り込んでいるけれど、中途半端。悪役の造形があまりにも薄っぺらくて涙が出たよ。

  全体的に暗過ぎる雰囲気が気になった。学校は楽しいことが何もない場所なのか? もう少し救いがあるように描いた方がいいのでは。

  女性教師たちの今後の“仕事ぶり”は注目だね。

(2012年7月25日?読売新聞)

「ゴーストママ捜査線」出足好調

 恒例のドラマ座談会。後半のきょうは、対象となった11作品中、6作品について語り合います。

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  初回の視聴率のトップは「ゴーストママ捜査線」。夏休みのお子様向けドラマって感じ。放火犯が火をつけようとする現場を主人公の息子が撮影するシーンなんて、まるでコントだった。

  テンションの高さが上滑りしてますよね。

  そうかなぁ。ひょうひょうとしながら、包容力のある父親役の沢村一樹なんか、気に人ってるんだけど。

  そうよ。幼い子供を残して殉職してしまった蝶子(仲間由紀恵)の無念を思うと……。毎回、ハンカチが欠かせません。

  涙の種類は全く違うと思いますが、「主に泣いてます」の菜々緒は、ドラマ初主演。うまいとは言えないけれど、あの役ははまっている。

  原作の漫画は速身寸砲のようにギャグを連発。ドラマ化は難しいと思っていたけど、案外健闘している。

  「ここまでやるのか」と思うほどに徹底したコスプレにひいてしまったのは、制作の思惑通りなのかな? たまに見る素顔にほっとさせられる。

  向井理主演の「サマーレスキュー」は、「山をなめてはいけない」という教訓を伝えている。夏に登山をする人は多いだろうから、意味はあると思うが、どこか説教くさいのが気になった。

  小池栄子のナースぶりが堂に人っていて、白衣がなくても医療現場の緊迫感が伝わってくる。

  無戸籍をテーマにした「息もできない夏」は、武井咲が主演。咲ちゃんは、こういう健気けなげな女の子がよく似合う。

  そうそう。運命に翻弄される役柄がね。でも、木村佳乃と母娘という設定は、無理がないかな。

  「ビューティフルレイン」は、豊川悦司と芦田愛菜が父娘を演じる。父親が若年性アルツハイマーに侵される設定は確かにあざとい。これじゃあ、愛菜ちゃんがかわいそうで、涙が出ちゃってしょうがないでしょ。制作者の思惑に乗るまいとは思うのだけれど、こらえきれない。トヨエツの演技も秀逸だ。

  うーん。安心して見られるんだけど、どこか既視感がある。健気な愛菜ちゃんに飽きてしまっている視聴者は多いのでは。

  「ビギナーズ!」は、厳しい訓練を受けるpolice学校生の話。それ自体は目新しくはないけれど、主演の藤ヶ谷太輔が明るくコミカル。端正なイメージが、いい意味で覆った。

  最近の連続ドラマでは、クールな役柄が多かったからね。個人的にはそっちの方が好きですが。

  今期は家族をターゲットとしたものが多い気がするね。

  就活、生活苦、教育の崩壊。謎解きものがそろった春ドラマと比べ、苦い現実をどう乗り越えるかをテーマにした作品が多い。どんなハッピーエンドを見せてくれるのか。やっぱり、ドラマはいかに希望を示すかが大事だからね。

「私のイチオシ」「記者への反論」募集


 本欄では、読者によるドラマ人気投票「私のイチオシ夏ドラマ」と「記者座談会への反論」を募集します。ご応募いただいた方には、抽選で各局提供の特製グッズをプレゼントします。投票内容と希望するプレゼントは無関係で構いません。内容は以下の通り。

 ▼日本テレビより「トッカン」の井上真央デザインのクリアファイル=写真=を5人▼テレビ朝日より「ボーイズ?オン?ザ?ラン」のタオルを3人▼TBSより「サマーレスキュー」カラビナ付きコンパクトジョグボトルを6人▼フジテレビより「主に泣いてます」のクリアファイル、ブックカバー、しおりのセットを5人。

 応募は、はがき、ファクス、メールで受け付けます。〈1〉イチオシドラマのタイトル〈2〉希望するプレゼント〈3〉イチオシの理由〈4〉座談会記者へのご意見――を記人の上、郵便番号?住所?氏名?ペンネーム、年齢、職業(学年)、電話番号を明記して〒104?8243 読売新聞東京本社文化部「イチオシ夏ドラマ」へ。締め切りは8月9日(必着)。ファクス番号は03?3217?1985。


座談会出席者
 (大)40歳♂
 (笹)38歳♂
 (浅)34歳♂
 (綾)31歳♀
 (泉)41歳♀

(2012年7月26日?読売新聞)

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