- 18 - = =2018/4/6 10:07:12
4/6(金) 6:00配信
大ヒットしたドラマ「花より男子」シリーズ(2005年ほかTBS系)の新章がこの春スタートする。「花のち晴れ~花男 Next Season~」(4月17日スタート、毎週火曜夜10:00-11:07TBS系)だ。本作の見どころを、ドラマに詳しい識者4人のコメントとともに紹介する。
神尾葉子原作漫画を実写ドラマ化した「花のち晴れ―」は、名門校 英徳学園を舞台に、主人公 江戸川音(えどがわおと 杉咲花)ら秘密を抱える高校生たちの学園生活を描く作品だ。
「花より男子」は、日本中に“花男”旋風を巻き起こした貧乏女子高生 つくし(井上真央)とスーパーセレブ“F4”たちのシンデレラストーリーだった。「花のち晴れ」はそんなF4の卒業から10年後、落ち目になった英徳学園の生徒たちの恋模様を描く。
令嬢から貧乏に身を落とした音を中心に、“第二の道明寺”を演じるが実はメンタルが弱いセレブ 神楽木晴(かぐらぎハルト 平野紫耀)、学園歴代トップのIQを誇る秀才 平海斗(たいらかいと 濱田達臣)らのグループ“C5”、そして英徳学園のライバル校 桃乃園学院の生徒会長で音の婚約者 馳天馬(はせてんま 中川大志)らが繰り広げる痛快青春ラブストーリーだ。
4月17日放送の第1話は…。父親が経営していた大手化粧品会社が倒産し、令嬢から一気に貧乏高校生へ転落したヒロイン 音は“隠れ庶民”として学園に通い、隠れてコンビニでアルバイトをする日々を送っていた。そんな中、晴ら“C5”の“庶民狩り”が横行。怯える音だが、バイト中にあろうことか晴に会ってしまう。
■ キャスト同士の化学反応に注目
“花男”シリーズで注目された俳優が多いことから、今回もキャスティングに期待が高まる。「花より男子」では道明寺司(松本潤)率いる“F4”が高い注目を集めただけに、ドラマに詳しいお笑い芸人?こじらせハスキーの橋爪ヨウコ氏は「どんなイケメンがいるのか今回も楽しみ」と新たな国民的イケメンの誕生に期待を寄せる。
中でも注目は、スーパーセレブ?晴らのグループ“C5”だ。一方、主人公 音を演じる杉咲には、彼らが発する存在感に負けない演技が求められる。テレビ ドラマ評論家でコラムニストの木村隆志氏は、「世代屈指のイケメンがそろう中、中心の杉咲が器の大きな演技を見せられるか。早い段階で見たいのは、『C5』の魅力が爆発するシーン。恋の矢印も『花より男子』より、多くのカップル誕生に期待がかかる」と、キャスト同士の化学反応に注目する。
■ 石井康晴らの演出マジックにも期待
ファンとしては、一世を風靡した“花男”ワールドの世界観がいかに継承されているかが気になるところ。メディアジャーナリストの長谷川朋子氏は、「日本だけでなく、アジアを中心に海外でも人気の高い『花より男子』の世界観から広がる新章。地上波ですっかり数が減ってしまった青春感たっぷりのラブストーリードラマをたまには堪能したい」と、ドラマならではのド青春ストーリーを期待する。
「花より男子」、「花より男子2(リターンズ)」(2007年TBS系)のプロデュースを担当した瀬戸口克陽、演出の石井康晴が再びタッグを組む。ライターとして数々のドラマを目にしてきた小田慶子氏は、「『花より男子』シリーズの現実離れしたストーリーが受けるのか?という心配はあるが、杉咲は演技に切なさを込めるのがうまいので、ヒロイン力で引き込めるかも。元祖『花男』の石井康晴らの演出マジックにも期待」と語る。
日常を忘れ、夢のような世界にどっぷり浸る――そんなドラマの楽しみ方を思い出させてくれる“花男”シリーズ新章に期待だ。
- 20 - = =2018/4/18 23:00:52
2018.04.18
杉咲花が主演を務める連続テレビドラマ『花のち晴れ~花男Next Season~』(TBS系)の初回が17日に放送された。タイトルでわかる通り、2005年と07年に放送され、08年には映画化もされた『花より男子』(花男)シリーズの続編という位置付け。道明寺司(松本潤)率いる「F4」が卒業して10年後の英徳学園を舞台に、新世代のキャラクターが繰り広げる「痛快青春ラブコメディー」を描くという触れ込みだ。
かつての『花より男子』は、1期目が全話平均視聴率19.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、2期目はさらに上昇して同21.6%を記録した大人気シリーズだっただけに、TBSも今作には並々ならぬ期待をかけていたに違いない。だが、ふたを開けてみれば初回視聴率は7.4%と惨敗に終わった。話題になったのは、「回想シーンで松本潤が登場したらTwitterがつながりにくくなった」ということくらい(後にTwitter社より本件とは無関係と発表された)。裏を返せば、それ以外には特筆すべき要素がなかったとも言える。
そう断言すると、もはや書くこともなくなってしまうので、絶対に中年男性をターゲットにしていないであろう『花のち晴れ』について、あえておじさんの目から見た感想なりツッコミなりを書いてみたい。
まず、主演の杉咲花は悪くない。ある程度しっかり者で、そこそこ気が強く、正義感の強い高校生役をしっかり演じている。これがその辺のアイドルやモデル上がりの女優もどきだったら目も当てられなかったところだ。また、杉咲の婚約者?馳天馬を演じる中川大志も、さわやかなイケメンぶりとすらりとしたたたずまい、風格さえ感じさせる存在感が強烈な印象を残す。貫禄がありすぎて、高校生役の中で1人だけ浮いているほどだ。
一方、馳のライバル役となる財閥の御曹司?神楽木晴を演じるKing&Princeの平野紫耀はかなりひどい。ジャニーズタレントだからダメだと決め付けるつもりはないが、表情も声も一本調子の棒演技、しかも声がカスカスで聞き取りにくい。「学園の品格を守る」と言っている割に、育ちが悪そうで全然品格がないのも気になる。ともに白いタキシードをまとった平野と中川が杉咲をはさんでにらみ合うラストシーンでは、中川と平野の格の差が画面からナチュラルに伝わってくるようでかわいそうになったほどだ。
神楽木率いる「C5」の他のメンバーもいまひとつだ。紅一点の真矢愛莉(今田美桜)はウザイだけでかわいくないし、成宮一茶(鈴木仁)や栄美杉丸(中田圭祐)に至っては、存在感がなさすぎてモブキャラと化している。唯一、濱田龍臣演じる平海斗だけが安心して見ていられる。むしろ、濱田が中川のライバル役を演じてくれたほうが納得できた。
ひどいと言えば、杉咲の母親を演じる菊池桃子もかなりダメダメである。社長夫人から貧乏生活に落ちぶれたという設定だが、まったく役を演じられていない。アイドル時代の菊池を知っている世代から見れば納得のダメっぷりではあるのだが、連続テレビ小説『半分、青い。』(NHK)で上品な母親役を演じている原田知世とは雲泥の差である。
脚本もおかしな点はいろいろあるが、こういうドラマはいちいちあら探しをする類いのものでもないので、「そういうもんだ」と思えばさほど気にはならない。ただ、お金持ちの子女ばかりが通う高校なのに、主人公の父親が経営する会社の倒産情報がまったく知られていないという設定は不自然すぎた。中高生が見るドラマだからと、制作側も細かいことは気にしていないのだろう。
もうひとつ気になったのは、宇多田ヒカルが本作のために書き下ろしたという曲の使い方だ。曲はいいと思うのだが、流れる場面やタイミングがまったく合っていないために、「無駄遣い」になっている。
初回で予想以上の低視聴率をたたき出しただけに、TBSもなんらかの対策を考えずにはいられないはずだ。若手が多いだけに、キャストのリアルな成長とともにドラマも盛り上がってくる可能性は大いにある。今後の展開を見守りたい。
- 21 - = =2018/4/22 2:18:11